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ベンジーが来て、1か月と少し。
4.2㎏の体重は、今や8.5㎏。倍以上に増えた。
「赤ちゃん」と呼ぶには、あまりにも大きい。
それでも、安心した寝顔はやっぱり赤ちゃんだ。
ただ、最近ではときどき「おじさん」顔になる。
レトリバー種の特徴なのか、
頰や口の周りがたるむあの感じ。

ボーダーコリーのメルは、
ふさふしとした毛並みと顔の作りで、
12歳になっても赤ちゃん顔だった。
犬種によって、
こんなにも違うのかと驚くことの連続だ。

ボーダーだったらここでジャンプをするのに、
身をかがめて大きく尻尾をふるのに。
私の中にあるメルの記憶が、
メルの所作を思い出して懐かしみ、
目の前にいるベンジーと比較してしまう。
もしもこれ、人間だったら、いやだよね。失礼だし。
メルはメル、と私の記憶におさめなくては。

ベンジーの朝は早い。
朝4時には、わんわんと、
2階にいる私たちを大声で呼ぶ。
朝はテンションが1日でいちばん高い。
いわゆるパピー走りでヨーイドン。
甘噛み、がしがし、
お腹を見せては、
また、走り出す。
とまあ、いっときも目を離せない。
スリッパを置いておこうものならば、
まっしぐらに飛びかかり、
勝利品を高らかにくわえ、
嬉々として跳ね回る。
しゃがんだ私の太ももは、
なぜか朝だけ、ベンジーの通り道となる。
太ももをわしわしと踏みつけては、
行ったり来たりを繰り返す。

飛びつかせない、
手や顔をなめさせない、
かじらせない。
盲導犬パピー育てる時のお約束だ。
自分の犬ならば、
赤ちゃんだもの、
となんでもゆるしてしまうことも、
いわばお預かりしている特別な犬、
ここは人間の忍耐が試される。

「夜泣きもあります」と、
パピー担当さんには事前に言われていた。
まさか、野太い声で、わんわん、とは。
鼻を鳴らすきゅーきゅー程度かと思っていたのだ。

ここは狭い下町。
この声を朝4時から聞かされたら、
近所の人たちも大変だ。
階下に降りると、
すでにやる気満々で目が覚めている。
吠えると降りる、を繰り返していくうちに、
吠える時間も早くなっていった。
3時、2時。
これでは朝というよりも、深夜ではないの。

悪循環を断ち切るべく、
朝5時までは、何があっても行かないと決めた。
ご近所さん、ごめんなさい。
3日目、なんとか朝4時30分くらいまでは、
大声でわんわん、をしなくなった。
やがて、わんわん、ではなく、
きゅうきゅう、わわん、わわわわ、と小さくなっていった。

毎朝5時、最初のワン(大)ツー(小)のツーをさせて、
再び眠りに落ちるまではそばにいる。
最初、朝当番は、ほとんど夫だった。
途中、私が大いに反省をして、
順番に起きることになった。
それでもなお、夫の方が多いけれど。

朝5時のツーをしてから6時までの1時間は、
少しずつ、私とベンジーだけの静かな時間になっている。
理想は眠ってくれること。
人がそばにいれば吠えることはない。
カーテンを開け、小さな明かりだけをつけると、
ゲージのすぐ脇にあるソファーに座る。
ベンジーが眠るまで、
私はデボーションといって、
聖書を読み、祈る。
朝食を食べてから、
聖書というこころのごはんを食べる習慣なのだが、
朝当番の日には、こうして糧の順序が逆になる。

それにしても、ベンジーは賢い。
「グッド」と褒めながら、
こちらが落ち着いて丁寧に関わっていくと、
ベンジーも落ち着いて聞き入れてくれる。
3回ぐらい繰り返せば、着実に行える。
日々、その賢さが見える実となって実っていく。
(ただし、落ち着いていればの話)。
この賢さは、ゴールデンレトリバーだからか。
あるいは、ベンジーだからか。
盲導犬の長い長い血筋の記憶が、
ベンジーの中に流れているのは間違いない。

パピーウォーカーとして指導を受けながら育てても、
その子犬が実際に盲導犬になれるかは、
確率で言えば3、4割だと聞いている。
適正がすべて、とも言えるのだとか。
それほど、厳しい働きなのだろう。
朝の祈りに、ベンジーが人を支え、
よき働きをする犬になれるようにということが加わった。
子犬と暮らすということは、
愛すること、
愛されることの連続の中にいることではないかしら。
ふと、祈りながら、
こんな気持ちになって嬉しくなる。
私たち夫婦の関係が「うつる」とも誰かに言われ、
どんなときも平安で、
仲良くいなければね、
などと、こちらにも少しはよい効果が上がっているような。

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盲導犬協会のパピーレクチャーで、お姉ちゃんと2ヶ月ぶりに再会。会ったとたん、弟ベンジーの顔をがぶり。お姉ちゃん、強い。ベンジーはまったく動ぜず。どうやら末っ子はおっとり?
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お姉ちゃん、積極的。ベンジー、たじたじ。
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リードの練習もスタート。じっと見る。なんだろこれ ?
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レクチャーの日はぐったり。
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食卓の下でも安心して眠れるようになりました。涼しいところを見つける天才。今のところ、椅子とテーブルの脚は無事です。
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キッチンの前、私の仕事ゾーン、夫の仕事ゾーンへの入り口には、パピーゲートなるものが置かれています。本棚の前、カップボードの前と、ゲートは増える一方。人間側は、家の中で、ハードルの練習をしているみたいでひと苦労。これも誤飲対策のため、必要なんですね。
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# by puppy_Benji | 2016-09-09 10:14 | パピーウォーカー | Comments(0)
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3年目になるアン・ブックスの読書会を今年も開くことができた。
子犬な毎日から抜け出して、
しばしアンの世界へ浸るシアワセ。
小金井にある会場の教会には、
時間ぎりぎりに飛び込むという体たらくだった。
それでもどうにか、
花柄のワンピースなどを着込み、
首元には夫から婚約時代に贈られた小さなパールをつけ、
アンの世界をなんとか気取って、
みなさんとお会いすることができた。

赤毛のアン。
このことばには、日本人にとって特別なチカラがあると思う。
集まったのは20代から70代までの全世代。
少女時代に、あるいは大人になってから、
それぞれの場でアンと出会った話は尽きない。
登場人物の名前をつけて互いを呼び合うお遊びにも、
ノリよくお付き合いくださった。
ちなみに私は、ずうずうしくもフィリパにしてみた。

年に一冊ずつアン・ブックスを読めば、
10年間で読破する。
この気の長いような企画のゴールには、
アンを通して出会ったすべての人たちとの、
再会のお茶会を考えている。
全員集まってくだされば、相当数になるはずだ。
そのときまで、アンを自由に笑顔で語れる国であってほしいな。

子犬な日々の中、
詳しい報告を書けるかどうかと思い、
とりあえずアップしたツイッターの報告のリンクは下記から。
アップルタルトの至福な味、伝わるといいのですけれど。

booksheepbook.hatenablog.com/entry/2016/08/21/

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読書会の後、相棒のメリーさんとしばしおしゃべりも、恒例の楽しみ。
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# by puppy_Benji | 2016-08-23 16:52 | 赤毛のアン | Comments(0)
ベンジーが来て、はや3週間。
あまりのめまぐるしさに、あわあわしている。
成長ぶりを書き留める時間のなさを惜しく思い、
急遽、インスタグラムを始めてみた。
毎日、一枚ずつ「今日のベンジー」を更新。
ガラケーからスマホに切り替わったのは、
つい最近なので、
スマホの機能そのものがよく呑み込めていない。
でも、なんとかんとか。
♯という文字を使ってみる文化も、
見よう見まねで。
こういうものは、
上手に使っていくための
ゲームのルールのようなものなのかな。

パピーの成長は早いのなんの。
寝ている間に、ぐんぐん伸びている。
なにしろ1年間で、
人間でいうところの20歳の青年にまで育つらしい。
犬の一生は太く短く。
盲導犬は、さらに太く太く、かな ?

ベンジーを応援してくださるみなさま、
インスタグラムをぜひフォローください。
ユーザー名は、goodnews_cafeとなっています。


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盲導犬協会で、ベンジー、兄弟たちと登場 !
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まだ外を歩いたことのない初々しさ。
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2週間前は、むちむちの寝姿。今はもうすこし足がすらり。
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メルのおさがり。お気に入り。甘噛み対策の必需品。
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日々、スリングから飛び出しそうなやんちゃぶり。
ベンジーならぬ、バンジー ?
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ベニヤミンくん、聖書を前に神妙な顔。
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# by puppy_Benji | 2016-08-14 23:35 | パピーウォーカー | Comments(0)

盲導犬パピー来たる!

ワクチンが終わるまでは、スリングでお散歩。今からいろいろなものに見慣れていく練習が始まっています。夫がこのいでたちをすると、目立つのなんの。
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ついに、パピーがやって来た。
ゴールデンレトリーバーの男の子で、
名前は「ベンジー」。
Bで始まる母犬と同じ頭文字の候補リストから、
盲導犬協会が選んでくれた。

名前の由来は、旧約聖書に登場するベニヤミン。
その愛称をとって「ベンジー」。
聖書では、族長ヤコブの12人の子どもたちの末っ子で、
こちらのパピーも5頭兄弟の末っ子だ。
末っ子だけど、いちばん大きくて
月齢2ヶ月にして、体重は4.5㎏もある。

ヘブル語のベニヤミンは「右」を意味し、
ヘブル文化では右は美徳を表す。
これから人の傍にいることになるパピーに、
こんな思いを込めてつけた。
ベニヤミンだと呼びにくいので、
盲導犬になった時のことを考えてベンジーに。
昔、ベンジーという名前の犬の映画があったような。
あれも、ベニヤミンが由来なのかしらん。

書きたいことはたくさんあるけれど、
1日が終わってみると、
余力のカケラもない。
パピーが来るということは、
赤ちゃんが来たということ。
赤ちゃんの仕事はウンチとオシッコと眠ること。
もちろん、遊ぶことも。
パピーウォーカーには、
これらのお世話に加えて、
外の音や人など、
たくさんのものを体験させておく使命がある。
まだ地面に下ろしてはいけないので、
まずはスリングで抱っこ。

今は夏休みだから、
昼間、子どもたちが、
犬、見せて、とやってくる。
ふう。
加えて、この夏は、
児童館での仕事などもしている。

子どもと子犬。
どちらも育む仕事なんだけど、
むしろ、私自身が子どもに戻っている気分だ。
これぞ夏休み。
でも、寝不足でふらふらなのは、
やっぱり大人だからだわね。
先は長いぞ。
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# by puppy_Benji | 2016-08-03 22:03 | パピーウォーカー | Comments(0)

盲導犬パピー委託式前夜

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明日は隅田川花火大会。
でも、我が家は地元を抜け出して、横浜へ。
いよいよ盲導犬パピーの委託式なのだ。

掃除やら、ペットシーツの買い出しやらと、
ようやく必要なことを済ませてほっ。
1年前、庭の物置にしまい込んだ犬グッズ一式も、
今日になって引っ張り出してきた。
ほとんど締め切り前夜といった様子だ。
パピーのおかげで、
家の中がずいぶんと片付いた。
でも、その代わりに、
巨大なケージがソファの前にどっしり。
子犬中心の暮らしが始まるんだな。

何かを始める時、
いつも思うことは、
初めの愛を忘れないこと。
人間は、大切なことを
つい、当たり前にして、
忘れてしまう生き物だから。

ちょっと厳しい聖書のことばだけど、
自戒を込めて引用。

「しかし、あなたには非難すべきことがある。
あなたは初めの愛から離れてしまった。
それで、あなたは、
どこから落ちたかを思い出し、
悔い改めて、
初めの行いをしなさい。」
ヨハネの黙示録2:4-5

初めの愛、なのです。
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# by puppy_Benji | 2016-07-29 23:32 | パピーウォーカー | Comments(0)