盲導犬パピー、ベンジーとの10か月とその後。 文筆家+牧師の奥さん、宮葉子のブログ


by 牧師館のお茶会
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ベンジーと鎌倉の海へ


再びベンジーのこと。

盲導犬パピーをどのように育てているのかを知りたくて、
インスタグラムでパピーウォーカーさんたちをフォローしてみた。
みなさんこまめにコメントを交わし合い、
実際にもお会いしている様子。スバラシイ。

私は、イイネ、を押すのがやっとのスマホユーザーなので、
我が家には時差があるのよねぇ、
などと独りごち、せっかくコメントをいただいても
1週間後に返信するという体たらく。
案の定、コメント、というものはほとんど来なくなった。

まあ、それも自分らしい使い方だと思って(じつは筆マメではないのです)、
みなさんの育てぶりをときどき見ては感心することしきり。
なんとよく、パピーをあちこちに連れ歩いていることか。

いろいろなことを体験させるのは、
パピーウォーカーの使命なので、
我が家も頑張ってはみた。
けれども、
ワンツー問題(外でいきなりしてしまう)が
なかなか解決しない時期が長かったこともあって、
「泳ぐ」という体験をさせることができないまま、
別れの時が近づいてきて、やや焦る。

とにかく海。海は見せよう。
毎日、川辺を歩くことが日課だったので、
ベンジーは「水」というものは知っている。
川岸の近くまで降りてみたことも何度か。
風に泡立つ水面に、エキサイトしたことも何度か。
でもあの、広くて、大きくて、
私の大好きな海というものを知らないんなんて。

というわけで、
送り出す月の初め、
鎌倉の友人に頼んで、
散歩のお供をしてもらうことになった。
あちらは2匹の小型犬を連れて。
小さなお友だちに近づいたことはないので、
どうなるかな。

人間たちの心配をよそに、
「グッド」で育ったベンジーは、
いつもの通り、平和主義。
あちらの2匹も、
ひとしきり騒いでしまうと、
あとは静かになって受け入れてくれた。
なんだ、大丈夫じゃない、と人間たちは安堵する。

盲導犬パピーは、
他の犬と遊ぶことはさせない。
挨拶のために近づいた後は、
ゆるやかな距離感を保ちながら、
3匹と3人で海辺を歩いた。

初めての波に、ベンジーは大はしゃぎする。
そして、久しぶりの砂浜に、
私も友人を忘れてベンジーと大はしゃぎ。
たぶんもう一回連れてくれば、
自分から沖へと向かい、
当たり前みたいに泳ぎだすのではないかな。
でも、そのもう一回、というものはない。
これが、盲導犬パピーとの暮らしなのだ。

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犬連れに、駐車場は必須。犬も入れるお店は、鎌倉にはさすがに多いですね。

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ハワイアンカフェにしました。トンビに気をつけてください、と言われて渡されたランチボックス。トンビよりもカラスがすごかった。ベンジー、鳥たちに反応して、ゆっくり食べられず。これはちょっとした誤算。

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はあ、これはなんでしょう、の図。ベンジー、この後、狂喜乱舞。

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へっぴり腰がカワイイ。いつもの川辺とは違って、打ち寄せる波に、なんだなんだ ! ? 
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修学旅行生もたくさんはしゃいでいましたけれど、ふと、人通りが絶え、静まる時間。

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江ノ電も見ましたよ。いつか電車に乗る日に備えて、踏切や電車を毎日見せていましたので、まったく平気なベンジー。

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海と山が身近にある暮らし、やっぱりいいな。

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はるばるニューヨークからやってきたわんちゃん。ご挨拶が済んだら、どちらもたいして気にせず、静かなもの。

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# by puppy_Benji | 2017-06-22 22:23 | パピーウォーカー | Comments(0)

京都の水辺を歩く


2年ぶりの京都は、真夏のような晴れ続きだった。

旅の印象は、空の色で大きく変わる。
前回の京都は、梅雨の土砂降り続きにあたったせいか、
どことなく陰鬱だった。

けれども、今回は、最初から最後まで、
晴れやかな旅となり、
いつも以上に縦に横にと、
まちを歩き回って過ごした。
とくに水辺。鴨川をそぞろ歩き、
琵琶湖疎水だとか、白川沿いだとか。
ベタ、と言ってしまえばそれまでだけど、
ベタ、にはやはりそのよさがあって、
京都の水辺はやっぱりなじむ、などと思って嬉しがった。
なにより、水が澄んできれいなのがいい。
そして、振り返ればちょうどいいサイズの山があるのもいい。
方角を知りたければ、
東京スカイツリーではなく、山を見る。
まちというものは、やはりこうでなくてはね、
と思ってみたりもする。

初日、美術館の多い岡崎にで出かけた。
お目当ての細見美術館が閉まっていたため、
京都動物園の前でぼんやりひとり川を眺めていたら、
何やら黒い大きなものが、突然、水面から顔を出した。
や、かば。いえ、黒豚 ?
ざんぶりと水から上がるや、
取り憑かれたような勢いで走り抜けていくかたまりに、
なんだ、なんだ、と気圧されてしまう。
京都の水辺には、ああいうケモノまで普通にいるのかしら、
と妙に感心して再び歩き始める。

その夜、ホテルのテレビで、
京大でイノシシが捕獲されたというニュースを見た。
まさか、あれ。
山に住むイノシシが、
環境の変化によって、
川や海を泳いで渡る能力を身につけて、
どんどんまちに姿を現わすようになったらしい。

家に来たイノシシを捕獲して食べたら、
ハンザイになるのかしらね、
などと、くだらないことを夫としゃべる。
どちらも、調べてみるようなことはしなくて、
ずっと昔、
両国で食べたイノシシ鍋の味を思い返して
その会話は終わった。

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水路閣。撮影によく使われるので、何度も見ていた気でいましたが、実物は初めて。想像していたのとは違って、森の中にあるようなロケーション。「レンガ」という建材には、昔から魅せられてきました。丈夫なのはもちろんですが、処分に費用がかかるため、そのままになっていることも多いようです。そうして残っていくうちに、時代がぐるりと回って、いいよね、ということになるものは多いですよね。

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ねじりまんぽ。面白い名前。レンガの積み方がねじれていて独特です。

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廃墟感漂う建物。何、いったい ? と思ったら、初期の水力発電所でした。今はもっと近代的。ブラタモリで紹介されていましたよね。

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鉄策に囲まれており、地下都市みたいに見えました。

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毎年5月から始まる鴨川名物の川床。

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# by puppy_Benji | 2017-06-20 23:08 | まち | Comments(0)

犬暮らし、公園通い


犬のいる暮らしには、
日々の散歩が当たり前のようについてくる。

ベンジーとは、荒川河川敷がいつものコース、
ときどき隅田川沿い。
浅草に向かって歩くこともあれば、
南千住に向かって歩き、
都立汐入公園を利用することもあった。

東京の川沿いの景色は、
しばらく行かずにいると、ずいぶん変わっていたりする。
汚らしいだけだと思っていた歩道が、
しゃれたボードウォークに変身していたりして、
ああこれも、オリンピックの影響か、と思ってみたり。

河川敷の雑草の伸び具合だとか、
刈り込まれた芝生の青々とした香りだとか、
あるいは、木々の変化だとか。
緑の少ない東京下町の中で、
自然の変化をじかに感じながらの暮らしは、やはり好きだ。

出先で適当な公園がないものかな、
とこのあたりのアンテナにも敏感になる。
今回の季節外れの写真は、桜の季節に撮影したもの。
江戸川区の篠崎公園。ここが今回の犬暮らしで発見したヒット。
犬がいなくても、また行きたいな。

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丘あり、芝生あり。広い広い。

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桜もたくさん。並木道。

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落ち葉や花びらには目のないベンジー。でも、こんなにたくさんあると、もういいかな、といった感じでした。拾い食い、匂い嗅ぎ、盲導犬パピーは、いずれもNGなので、この点も苦労しました。だって、犬は本来、匂い嗅ぎするものですからね。

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じつは車の揺れが少々苦手。この車は、降り口が狭いから、余計に辛かったかな。苦笑いのベンジー。

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車酔い寸前? いつも笑っているベンジーにも、不得手がありました。とはいえ、1歳になるころには、車酔いをほぼ克服。

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ただし、一緒に車に乗るのは好き。夫に抱っこしてもらって、ご機嫌の図。車に乗ると、楽しいことが待っているのを知っているんですね。きっと。

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# by puppy_Benji | 2017-06-11 22:54 | パピーウォーカー | Comments(0)

いつも笑っている犬

最後のパピーレクチャーの日。爪切りしていても笑っているベンジー。

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入所後初めて、お世話になった訓練士さんから連絡が来た。
ベンジーの様子を教えてくれる電話だった。

この2週間、ベンジーは心の中の新しいポケットにいて、
その顔はいつだって満面の笑み。
何度も書いているけれど、
本当によく笑う犬だった。

とはいえ、我が家に来た当初の写真を見返してみると、
なにやら心配そうな表情ばかりだ。
来て1週間は、お腹を壊していたっけ。

それが、気づいてみると、
いつも笑っている犬に成長していた。
ベンジー、と呼ぶと、口を大きく開けてスマイル。
グッド、と褒めると、またもや口を大きく開けてスマイル。
入所前の1か月、
私の頭の中は、ほぼベンジー月間状態となり、
仕事や家事や諸々をかき分けながら、
ベンジーとの時間をできるだけ持つようにした。
だからよけいに。
ベンジーはいつだってご機嫌に過ごしていた。

そういえば、
ボーダーコリーのメルが、
血管肉腫であとわずかだとわかった時、
ひたすら一緒に過ごす時間を作るようにしていたせいか、
高熱や血管の破裂やらで苦しいはずだったのに、
最後までずっと笑顔を見せていた。
心を向けて、実際に共に過ごす時間を持つほどに、
犬だって、うれしくって笑顔になるのだろう。

さて、ベンジー。
今や、訓練犬、盲導犬候補生。
とはいえ、
相変わらずみんなにスマイルを見せて過ごしているという。
やってほしくない行動をとったときにも、
止めたとたんに例の「グッド」を言えば、
大きな口を開いてスマイル。
健康状態も訓練も順調らしい。

こんな話を聞いたら、
ベンジーの姿がリアルに立ち上ってきた。

朝、階下に降りていくと、
ゲージの中でベンジーが静かに待っている。
カーテンを開け、
お湯を沸かして紅茶を入れてからベンジーを出す。
真っ先に扉を開けてあげたい気持ちを抑え、
少しだけ待たせることもしつけのひとつなのだ。

ようやく扉を開け、オッケーの声をかけるや、
ひゅんと飛び出して、
テーブルの周りをぐるっと一周。
それから、私の太ももの上を、
夢中になって行ったり来たりする。
パピーは、淡いミルクようないい香りだ。
ゴールドの毛並みは、
私の腕からこぼれそうなほど豊かだ。
抱きしめると、
ほんの数秒、じっとするだけで、
弾むように腕から飛び出していく。
いつもの、朝の光景だ。

今は、どんな風に朝を過ごしているのかな。
とにかく、
扉を開けてくれた人に、
朝一番のスマイルを見せていることだけは間違いない。

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最後、ベンジー月間での笑顔。もうすぐ別れることを犬はまったく知りません。今日を生きる。ベンジーから教えてもらったことはたくさん。













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# by puppy_Benji | 2017-06-08 00:07 | パピーウォーカー | Comments(0)

ここが日本盲導犬協会・神奈川訓練センターの入り口。何度も何度も通いました。

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パピーウォーカーになると、月に一度、パピーレクチャーに通う。
土日のどちらかに開催され、
ほとんどの家族は日曜日を選ぶ。仕事のお休みの日。
でも、我が家は牧師家庭なので、日曜日に横浜まで行くのは難しい。
というわけで、土曜日に行くと、マンツーマンだったなんてことも幾度か。

こちらとしては、少人数の方が気が楽だし、
じっくり話も聞いてもらえるので、
助かることばかりだった。
どれくらい成果が上がっているか、
みんなの前でひと家族ずつ、
カム、だとか、オッケー、だとか、ウエイトだとか、
そんなことをやってみせるのも、
試験のようでどきどきするし。

でも、ベンジーにしてみれば、
お姉ちゃんやお兄ちゃんたちに会いたいよね。
2か月齢まで、毎日一緒に暮らしていた家族だもの。

この日のレクチャーは、珍しく土曜日に大勢が集まった。
というのも、お題目が「運動会」だったから。
犬の運動会 ! ?
例えば、椅子取りゲーム。
音楽が止まったら、自分のパピーをシットさせて、
その間に人間が椅子に座る。
もし、パピーが立ち上がってしまったらやり直し。
そうこうしているうちに、座るイスがなくなってしまう。
とまあ、こんな楽しい内容ばかりだった。

ちなみに、この椅子取りゲーム、
ベンジーはあっさり負けました。
両隣にいたラブちゃんたちに気を取られっぱなしで、
すぐに立ち上がってしまったのでした。あはは。

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アイマスクをつけて、私たちもユーザーさん体験。ベンジー、神妙な顔で待ってます。

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わあ、お兄ちゃんだ。でも、手前のベンジーの方が、ずっと大きい。最後まで末っ子のベンジーは、他の兄弟犬よりもかなり大きく、2Kgはダイエットしようね、と訓練士さんに言われ続けました。指示通りにごはんを減らしても、なかなか痩せないベンジーっていったい。

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アイマスクをつけて、パピーの着替えにも挑戦。うう、難しそう。

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運動会が終わってみれば、いつものスマイル。


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家に帰ると、気絶したようにぐうぐう寝てました。


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マットからどんどんはみだすベンジー。本当に疲れたのね。

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# by puppy_Benji | 2017-06-03 22:35 | パピーウォーカー | Comments(0)