盲導犬パピー、ベンジーとの10か月とその後。 文筆家+牧師の奥さん、宮葉子のブログ


by 牧師館のお茶会
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カテゴリ:バルセロナ( 1 )

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スペイン、カタルーニャの伝統的なお菓子、クレマ・カタラナ。
上はパリパリ。砂糖をかけて、バーナーで焼き目を付けるそうです。
かのクレーム・ブリュレの原型という説も。



10月は久しぶりに、ふたりで海外へ行った。
ブログに画像をあれもこれも、と思っているうちに、
あれれ、もう11月になっていたとは。
とにかく、頭の中では、文章を書き散らかしていた。
文字通り「感動」やら「感激」やら、しみじみ嬉しいこと、
出会いの多い10月だった。

ガウディ建築を見に、バルセロナに行かなくては。
牧師と結婚したころから思っていたはずだから、相当長い期間になる。
11年間一緒に暮らしたメルを見送り、
長い旅が気楽にできなくもない状況になったある日、
「今だよね」と、意外にも夫が言い出した。
来年にでも行ければと思っていたのだけれど、
重い腰をえいやっと上げてみれば、
旅のトビラはすいすいと開いていった。

さて、ガウディ。
あまりにも撮った写真が多すぎて、何から手をつけていいのやら。
夫は旅の間、日誌のように、素早く FBにアップしていた。
私はてんでだめ。
夜になると疲れてぐうぐうホテルの部屋で寝て、
それからバスタブにつかってはまた寝て。
しかも途中から、もうガウディの建築って、撮りきれないわ、
と撮影自体を放棄してしまった (夫が撮っていたし)。

よく歩いたし、よくお茶(といってもカプチーノ)をしたし、
知らないまちにしては、おいしい食事にもありつけた。
スベインの食事時間帯は妙に遅いので、
食いっぱぐれるということがない。これは助かる。
終日開いているバルもたくさんあるけれど、
多くのレストランでは、
ランチは16時くらいまで、ディナーは20時始まり。
夜は22時くらいから宴もたけなわ、という感じなのだ。
このゆっくりぐあいは、まちに慣れず、
どうしたって行動が予定時間よりずれていく旅人には優しい。

旅というのは、日々の営みを思い切って置いていくわけで、
旅の前後は本当に忙しかった。
ガウディ建築について調べるのがやっと。
観光シーズンのピークではないにしても、
10月のバルセロナはほどよい秋の季節だ。
猛烈にどこも混雑するとかで、ネット予約が必須らしいのだ。
英語で予約するだとか、
こんな小さなことが、どうしても億劫だったり。

そんなこんなで、「食」に関しては、
詳しく調べるまでにはいたらず現地に着いた。
とにかく、生ハムとチーズとチョコレートとオレンジジュースをいただくこと。
(なんと欲張りな)。
そして、伝統菓子の「クレマ・カタラナ」と、
チーズのはちみつがけのようなものをいただくこと。
パエリアはどっちでもいいかな。
これくらいのゆるい目標だった。

結果として、クレマ・カタラナは2回も食べられた。
はちみつがけの方は、旅の間にその存在自体を忘れてしまった。

最初にクレマ・カタラナをいただいたのは、
ゴシック地区にあるカエルンというカフェだった。
ここは、1階の店舗で、
スペイン全土の修道院で作ったお菓子を販売している。
なかなかよいお値段なので、厳選素材といった感じかな。
どれもシンプルでしゃれた包装だから、お土産にもよさそうだ。

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カエルンの門構え。いかにも時が経っている風情。

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天井を見上げるとこんな感じ。狭くて人がぎっりしなのだけど、座ってみると、案外寛げます。



100年以上は経っていそうな建物の地下に降りると、そこは洞窟 ?
昔、吉祥寺にくぐつ草という洞窟みたいなカフェがあったけれど、
あれをぎゅうぎゅうに凝縮したような空間だ。
人気店らしく、ほぼ満席だった。

年配の店員さんがやってきて、
「オラ !」という挨拶以外、私たちがスペイン語はさっぱりだとわかると、
英語を話す若い店員さんに交替。メニューには英語も書いてある。
でも、お菓子の名前は難しい。これまたさっぱりだ。

ケーキが陳列されているテーブルがすぐ後ろにあったので、
席を立って、ひとつひとつ、店員さんに教えてもらう。
それでもつかみきれない。
じつは私、ケーキ屋に行くと、決断力が鈍るのだ。
あれもこれもと目移りをして、
結局、それほど食べたいと思っていなかったものを選ぶという情けなさ。
まあ、私の人生は、わりあいとそういうことが多いのです。
そして、予想外を選んで、それはれそれで、思いがけない展開を楽しむというか。

話を戻すと、クレマ・カタラナ。
そうそう、たったひとつだけ、燦然と輝くカタラナちゃんがそこにいた。
でも、タルト生地に乗っていて、ガイドブックの写真とはずいぶん違う。
私の聞き間違いかと思ってもう一度尋ねてみると、
スペシャルなカタラナちゃんらしい。
では、それを。もうひとつは、無難に濃厚チョコレートケーキにした。

結論から言えば、カタラナちゃんは、つまるところカスタードクリームだった。
それがタルト生地の上に、ドーム型にまとめられて乗っていた。
おいしいと言えば、おいしい。
まあ、伝統菓子って、そういうものかもしれない。

ふたつ目のカタラナちゃんは、日曜日の礼拝の後にいただいた。
同じグループの現地教会のひとつにおじゃました。
礼拝はなぜか夕方18時30分からだったので、
終わったころには20時を過ぎていた。
同じグループとは言え、お互いに会うのは初めてだ。
今回はまったくのプライベートな旅なため、
ご奉仕などは何もなく、ただ礼拝に参加させてもらっただけなのだけれど、
そこは同じクリスチャンのこと。やあやあ、よく来たね、とすぐに親しくなる。
「この後、食事するよね。ね、ね、ね ?」。といったフレンドリーな感じで、
礼拝中、私の背後から英語に通訳してくださったコロンビア人の女性が言う。
「やっぱり典型的なカタルーニャの料理がいいよね ?」と言われ、
私たちはうんうん、と力強くうなずく。
「ティピカル・カタルーニャかぁ」とか、
「カタラン・カタランだね」とか、言いながら
(たぶん。これだけは聞き取れた)、
みんなで30分くらい、あそこがいい、いや、ここかな、
とスペイン語で侃々諤々。
結局、車を吹っ飛ばして、
グロリアス広場にある巨大モールのレストランに連れて行ってくださった。
バルセロナ最大級のメガ駐車場があるモールだ。

日曜日の21時くらいから夕食を食べて、明日から始まる仕事は大丈夫かしら。
こんな時間帯から食べるのは、普通のことなんだろうか。
こちらがあれこれ心配してしまったけれど、
今日は日本から牧師夫妻が来るぞということで、やはり特別らしい。
みなさんも楽しみにしていてくださったというので、
安心して、日曜日の遅め夜ごはんに臨んだ。
小学生ぐらいの子どももふたり加わり、
「パーティナイトだとはしゃいでるわ」とママが言う。
ハロー、オラ、と挨拶してみたら、ものすごくはにかまれてしまった。
日本人と話すのは始めてかな?

またまた脱線。カタラナちゃんは、最後のデザートタイムに注文した。
やっぱりこれだよ、とみんなが薦める。で
も、だれも注文しない。伝統菓子って、そんなもんですよね。

おいしい? とみんなに聞かれるので、おいしい、と答える。
でも、何か形容しがたい香りがする。
なんでしょう ? と、英語で言ってみるが、
なぜかみんな、ふふふ、と笑うだけだった。
どうも英語力が、一般的な日本人と同じ程度らしく、
英語を使おうとすると、ほとんどのみなさんが、はにかむのだ。
若い世代は英語を話す人が多いようだが、
もう少し上の世代になると、あんまり、
もっと上になると、まったく、らしい。
「どうして話そうとしないかわかんないわ」
とアメリカ暮らしの経験もあるコロンビア人の女性が言う。

あまりにもラテンのりが強いと置いてけぼりになってしまうが、
バルセロナの人たちのこのはにかみぶりは、
日本人の私にはとても心地よい。
クレマ・カタラナの香りの正体は不明なままだったけれど、
幸せなお菓子の記憶のひとつとして、私の心に収められた。
めでたし、めでたし。


(後日談)。
少し大きめのスーパーには、
必ずこのロイヤルの即席カタラナちゃんの素が売っていたので、
日本の友だちにおすそ分けしたくて購入。
当然、箱の裏にある説明書はスペイン語とカタルーニャ語のみ。
それでもまあ、数字は解読できるので、
こんな感じかな、と作ってみた。
帰国してから調べてみると、
香りの正体はシナモンやレモン、ときにはクローブのよう。
主材料は牛乳。この即席ミックスでも、750ccも使う。
とろみの正体はコーンスターチ。
舌にシュッと溶ける感じは、まさしくコーンスターチ。
個人的には、ゼラチンの方が好きなんですけど。

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箱の中に入っている粉をボウルに入れて、250ccの牛乳でよくかき混ぜる。

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ここで十分溶かしておくのがポイント。

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温めた500ccの牛乳に溶かした粉を加えてよく混ぜ、沸騰したら弱火にして2分間温める。

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粗熱がとれたら、器に分けて、冷蔵庫で冷やす。

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クッキーを添えてみました。お店ではビスコッティ添え。

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夫には、もう少し見栄えのするプレゼンで。カタルーニャ美術館オリジナルのデミカップ。目玉 !

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カエルンはこの通りの角地にあります。
ゴシック地区は、中世の城壁跡をそのまま生かしているので、なんとも不思議空間で楽しい。
新旧のぞいてみたくなるお店がたくさん並んでいます。
バルセロナまち歩きに個人的にはおすすめの地区。

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お土産に買ってみたチョコレート。ではなく、ドリンク用のチョコでした。
カカオ濃い、濃い。

参考までに、ネットで見つけたクレマ・カタラナのレシピ。
クレマ・カタラナ のレシピ|FOODIES レシピ

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by puppy_Benji | 2015-11-07 19:06 | バルセロナ | Comments(0)